君との日常が輝いていたなんて言わない。
君がいなくなってから愛しさに気付いたなんて言わない。


例え今と同じ世界じゃないとしても、また君にあえるって信じるから。



思い出すたびに喉を掻き毟りたくなる。
混ざり合う沢山の感情に目を閉じていたくなる。握った掌が冷たくなっていくにつれて、息が苦しくなっていくにつれて、段々とこれまでの自分が剥がれていって。段々と君へのあいじょうが高まってきて。

だからこそ、覚えていたくない。

君が存在していたという証明は、もう俺の中にしか無いというのに。


君の死体が何処にいったかは知らない。君自身の行方も。待っててくれる?此処以外の何処かで。きっともう直ぐ逝くから。

君の姿を忘れない内に、君の声を覚えている内に。

また、君にあいたい。
だけど、行けない。
俺は。



雨だ。
雨が降っている。
俺の体を重くする雨。俺と君を繋ぐ雨、隔てる雨。
この世へのしがらみ、期待、絶望、全てを背負えと。



まだ俺は雨の中にいる。

消える以外に、抜け出す術を俺は知らない。